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MACHIDA Kumi
New Works

2006年6月6日(火)ー7月1日(土)

 

登山
雲肌麻紙に青墨、茶墨、岩絵具、顔料、銀箔
145.5 x 112.1 cm 2006


初対面
雲肌麻紙に青墨、岩絵具、顔料
42.8 x 87.5 cm 2006

 

 

西村画廊では2006年6月6日(火曜)より7月1日(土曜)まで町田久美の第2回個展を開催致します。>>町田久美プロフィール
当画廊では2005年に初個展を開催し、高い評価を得ました。同年VOCA展に出品、また東京都現代美術館で開催されたグループ展「MOTアニュアル2006−No Border「日本画」から/「日本画」へ」にも出品し、現在最も注目を集めている作家の一人です。


町田の作品には子供が多く描かれますが、そのモチーフは性別や表情がはっきりとは特定できないものとして表現されます。こうしたモチーフは、町田が「できる限り主観や感情が混ざらないもの」と言うように、私たちの先入観を刺激する余計な装飾をほとんど削ぎ落とした必要最低限の「パーツ」で成り立っているのです。町田はこれらの「パーツ」を自在に組み合わせ、社会と自身の内面との間に存在する違和感を鋭く表現し、昇華します。細い墨線を丁寧に何度も重ねる作業を通じて、混沌とした感情や現実を美しい日本画のマチエールに押し込めることで、町田の作品は緊張感を持ったものとなっています。
この度の展覧会では、自身と他者との身体が同化/異化するような感覚を描いた100号から3号までの新作12点を発表します。全ての作品が人体をテーマにして描かれており、これらの作品には現実の違和感を表現するイメージが独自のインパクトある構図に描かれます。頭頂部に底の見えない穴を持つ人物が山を後ろから抱えこみ思いに耽る様子を描いた「登山」、揺らぐ感情を手の爪に生じた水面として描いた「初対面」、その他「夜の出来事」「朝の前」「儀式」など、日本画の素材のつくり出す美しいマチエールと現代的な不安や混沌を孕んだモチーフとが共存した町田の作品にご期待下さい。


 

 
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町田久美展 カタログ−
  

24ページ / カラー図版 16点
20 x 21 cm

<テキスト>
山下裕二「その後の町田久美」
光田由里「線を鍛え、毒を放つ」

定価 500円