小林孝亘の第5回個展「私たちを夢見る夢」を開催します。
前回(2000年11月)の個展ではバンコクの雑踏を走る車のテール・ランプ(夜の光)のシリーズ"Drop of Heat"を発表して好評を得ましたが、今回は初めて人物の顔を描いたシリーズを発表します。
小林はこれまで潜水艦、公園、蜜蜂の巣箱、犬・猫・金魚などの生物、テーブル、食器、家、森など様々な題材を独特の筆致で描き静謐な精神世界を創り出してきました。しかし人物像は背面から描かれた作品数点(バイクに乗る人など)が制作されたのみで、決して人物を正面から描いたことは無かったのです。
潜水艦や金魚を自画像として描いてきた小林孝亘が、始めて発表する人物像の連作「私たちを夢見る夢」は多大な注目を浴びることと思われます。
このシリーズは12点あり「私たちを夢見る夢」と「小さな死」のいずれかの題名が付いています。
出品作はこのほか森に降り注ぐ光を大画面に描いた"Forest"、大きな波に向き合う男性を背後から描いた"Wave"、川で洗濯する人をやはり背後から描いた"River"の3点を加えた全15点の油彩作品で構成されます。このほか鉛筆による新作ドローイングも数点発表する予定です。
昨年は目黒区美術館と韓国釜山美術館のグループ展に参加。今年1月には愛知県立芸術大学時代の友人たちと名古屋市民ギャラリーでグループ展「ファン・デ・ナゴヤ」に参加しました。尚、今回の「私たちを夢見る夢」12点のうち9点は同展で初公開されました。
今年、小林は4月に開館する兵庫県立新美術館(神戸)の開館記念展“Power of Art"(7月)に最新作など約15点を展示する予定です。
ますます充実度をたかめている小林孝亘の新作展にどうぞご期待ください。
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